病気で弱っている時に受診した病院で、優しくしてくれた受付の医療事務員。
そんな素敵な医療事務の方に憧れて、資格を取得して医療事務として病院で働こうと考えたこともいらっしゃるでしょう。
しっかり勉強して立派な医療事務になろう!そのためには国家資格をとるぞ!
でもちょっと待ってください。
残念ながら、医療事務の資格には国家資格はありません!
医療事務に関する資格はたくさんあるのですが、それらはすべて民間団体が作った「民間資格」であり、国が認めた「国家資格」ではないのです。
ただ国家資格がなくてもそれに代わる資格がありますので、医療事務を目指すなら以下に紹介する民間資格を取得していきましょう。
1.医療事務の資格は無駄なものが多い
医療事務に関係する資格は無数にありますが、そのほとんどが取得する意味のないものが多いのです。
資格の合格に向けて勉強で得た知識は無駄にはなりませんが、その資格自体に価値のないものがほとんどなのです。
2.診療報酬請求事務能力認定試験(医科・歯科)
医療事務の資格の中でも最難関であり、かつ唯一就職でも意味のある資格が「診療報酬請求事務能力認定試験(医科・歯科)」です。
カルテを読んでレセプトを手書きで仕上げる実技と、診療報酬の算定に関する択一問題の学科の二科目があり、共に合格基準に達することで合格となります。
合格率30%程度となかなかに難しい資格ですが、医療事務関連で意味のある資格はこれしかないのが現状です・・。
医療事務を主戦場として活躍していきたい人は必須の資格ですので、『医科』か『歯科』かご自身の勤める医療機関にあった方を選択し、取り組んでください。
『ヒューマンアカデミー』が合格を助ける社会人向けの講座を開いていますので、独学が心配な方は一度資料請求をしてみるのもいいでしょう→医療事務
3.医療事務の資格だけは厳しい
少し前提を覆しますが、純粋に医療事務だけの資格で勝負するというのは今後厳しくなってきます。
2020年現在、医療事務員を正職員ではなく外部委託、つまり派遣社員だけで賄っている病院もどんどん増えてきています。
派遣社員が悪いということではありませんが、正職員より待遇が良くないのは周知の事実です。
更にはICT機器など技術の進歩により受付や保険証確認、会計業務が自動化されていけば、より医療事務だけの資格保持者は冷遇されていきます。
そうならないためにも、医療事務に関連のある以下の資格を取得していただきたいのです。
4.医師事務作業補助者
医師事務作業補助者に関しては当ブログでもさかんに記事にしていますが、それだけ有意義で注目すべき資格です。
医療事務の業務とは両立できませんが、雇用を安定させるためには視野に入れておいて損はありません。
5.診療情報管理士
医療事務員にも診療情報管理士資格を要求する病院も増えてきました。
業務の幅も断然広がりますし、医療事務にこだわるならぜひ欲しい資格です。
6.医療情報技師
医療情報技師も医療事務とは少し離れますが、電子カルテシステムへの理解を深めることで医療機関の情報管理に携わることもできます。
医療事務として勤める方は、電子カルテシステムを日々手足のように使いますし、システムのちょっとしたカスタムや緊急時の対応ができれば現場からは重宝されます。
医療機関での雇用のチャンスを増やすためにも、ぜひ目指してほしい資格です。
7.おわりに
医療事務には国家資格がないことから、代わりになる資格をお伝えしてきました。
病院の顔であり下支えをしている素晴らしい職である医療事務ですが、今後はどうなっていくかは未知数です。
確実なことは誰にもわかりませんが、リスクがある以上しっかりと勉強し、替えのきかない人材になることを目指していきましょう。