診療情報管理士とは?【概要や業務内容について解説】

診療情報管理士

医療事務の延長線上に位置する資格である「診療情報管理士」。

診療情報管理士は医療統計や経営分析を担当する重要な職種ですが、まだまだマイナーで知名度は低いです。

この記事では診療情報管理士として15年以上のキャリアを持つ筆者が、資格の概要や業務内容についてお伝えしていきます。

実は、医療事務を目指すのならぜひとも取得すべき資格なのです。

そららの根拠も踏まえて説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。


診療情報管理士は、その名の通り、病院など医療機関で毎日たくさんの量が生み出されるカルテなどの「診療情報」を適切に「管理」することで、のちの医療や組織の経営に役立たせることができる職種です。

マイナーな職種で一般の方はおろか、医療従事者でも知らない人が多い診療情報管理士ですが、病院には欠かすことのできない大切な職種です。

項目ごとに診療情報管理士について詳しく説明していきます。

1.診療情報管理士の概要

1-1.資格の概要


診療情報管理士は、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)と医療研修推進財団が共同で認定している民間資格です
公式ホームページ https://jha-e.jp/

前身の「診療録管理士」から計算すると50年以上もの歴史を誇るものの、昔から国家資格化が望まれていますが、2023年現在、国家資格化への動きはありません。

この日本病院会が年1回実施する「診療情報管理士認定試験」に合格することで資格を取得することができます。

1-2.日本病院会の定義

診療情報管理士とは、医療機関における患者の様々な診療情報を中心に人の健康(health)に関する情報を国際統計分類等に基づいて収集・管理し、データベースを抽出・加工・分析し、様々なニーズに適した情報を提供する専門職種です。

※日本病院会ホームページより抜粋

1-3.受験資格を取得する方法

診療情報管理士を受験するには、養成校に行くことや通信教育を受講するなどの必要があります。

資格習得には大きく分けて2通りの方法があります。

  1. 「大学・短大・専門学校」→「2年生通信教育」→「診療情報管理士試験」
  2. 「日本病院会認定の大学・専門学校」→「診療情報管理士試験」

そして1の「2年生通信教育」を受講するにはさらに以下の要件を満たしている必要があります。

  1. 原則として2年制以上の短期大学または専門学校卒以上の学歴を有する者
  2. 現在医療機関に勤務している方は最終学歴が高卒でも可能
  3. 医師や看護師など定められた資格を持つ方は専門課程への編入が可能(次項で説明)

1-4.試験の科目など試験内容

診療情報管理士の試験は以下の2科目によって構成されています。

  • 医学などの基礎分野
  • 診療情報管理などの専門分野

そして下に列挙している医療系国家資格を所持している方は基礎分野が免除されるという特典があります。

医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工 士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師

医療系国家資格者は基礎分野が免除されるということから、院長や副院長、看護部長など病院経営に関わってくるようなポジションの方が診療情報管理士を取得するといったケースもあります。

1-5.試験の難易度や合格率

診療情報管理士試験の受験合格者は年によって変動していますが、平均して約55%程度と低めです。

合格率の低さの原因として、過去問が一切公表されていないということがあります。

過去問が公表されていないため、勉強の方法がわからずに分厚い教科書や問題集の全ての範囲を頭に入れる必要があります。

これはなかなか厳しい条件ですね。

ですが日本病院会としては、そこまで合格率を下げたくないという思いがありますので、受験者の平均点が下がれば合格ラインも下げ、合格率を調整しているようです。

診療情報管理士を養成する大学や専門学校などでは、毎年受験した学生からどのような問題が出題されたかといった聞き取り調査を行っていますので、比較的試験内容の情報を持っています。

合格率も大学生や専門学生に限定してみると、70~90%以上という非常に高い合格率を誇っています。

 

2.診療情報管理士の業務内容

診療情報管理士の業務は一言で言うと「統計」です。

日々に診療状況の統計を取ることで、その医療機関の治療実績を出したり経営分析の材料を出すことができるのです。

一般的な病院でも患者さんは一日にたくさん来ますが、大学病院などでは毎日1000人以上の患者さんが来院し診療を行います。

医師やその他医療スタッフが診療をしているだけでは、実際に患者さんが良くなったのか悪くなったのかわかりません。
(目の前の患者さんが治療の結果、回復に向っているのはもちろんわかりますよ)

実施した医療行為の成果を分析し、検討する必要があるのです。

また、病院も利益を追及してはいけないとはいえ潰れてしまっては元も子ないため、しっかりと経営状況を分析する必要があります。

それらの統計結果を出すため、日々診療情報管理士がデータを取り貯めておき、必要な時に必要な形で出せるようにすることが主な業務です。

 

3.医療事務を志す人が診療情報管理士を取得すべき理由

「私は医療事務が好きだから、診療情報管理士の資格はいらない」

と考える方は多いのですが、少し待ってください。

医療事務業務を担当する医事課の配属でも診療情報管理士を要求する病院は増えてきています。

大学病院などは医事課の求人に対して、募集要件に診療情報管理士を求めているのです。

私自身、診療情報管理士の求人に応募し、現在の職に就いていますが、業務内容は医事業務が多いです。(笑)

医療事務としての選択肢を広めるためにも、診療情報管理士を取得することを強くお勧めします。

 

4.本記事のまとめ

  • 診療情報管理士は民間資格である
  • 診療情報を管理し医療や経営に役立てる
  • 過去問が公開されていないため合格率が低い
  • 医療従事者は基礎分野の履修や受験が免除される
  • 医療事務を目指す人も診療情報管理士を取得する方がいい

 

5.おわりに

本記事では診療情報管理士の概要について紹介してきました。

診療情報管理士の窓口的な記事に仕上げましたので、今後はさらに業務内容など深堀していきたいと考えます。

これからの医療はどんどんICT化が進んでいきますので、その分多くの診療情報を扱うことになります。

そのような状況の中、診療情報管理士は情報を精査し、見やすくわかりやすい分析結果を医師や経営陣に示していくことが重要です。

私を含め、まだまだ多くの診療情報管理士がそのレベルではありませんので、診療情報管理士全体のレベルアップを目的として、今後も記事を執筆していきます。

タイトルとURLをコピーしました