臨床支援士とは?【概要や業務について解説】

医師事務作業補助者 医師事務作業補助者

医療事務系の職種に就きたいと考え、資格や検定について調べていくと「臨床支援士」という資格にたどり着かれた方もいらっしゃるでしょう。

果たして臨床支援士とは

他にもたくさんある医療事務系の資格とどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、「臨床支援士」の概要を明らかにしていきます。

医療事務系の資格には似たような名称がいくつかあるため、ご自身のやりたい職種と合致しているものかどうかをしっかり把握し、間違えることなく資格取得を目指していきましょう。

1.臨床支援士とは

臨床支援士とは、イコール「医師事務作業補助者」のことを指します。

そして医師事務作業補助者の能力や地位向上を目的とする「特定非営利活動法人 日本医師事務作業補助研究会」が、医師事務作業補助者をチーム医療や地域包括ケアにも貢献できる職種となる臨床支援士へと変革することを期待して決議した名称です。

当研究会は、医療関係者および市民に対して、医師事務作業補助者の実務能力の向上、業務環境の改善、医師事務作業補助領域の開発及び普及に関する事業を行うことにより、勤務医の負担軽減等に貢献し、もって医療の質の向上に寄与することを目的とした活動を行っています。

※特定非営利活動法人 日本医師事務作業補助研究会ホームページより引用

つまり、医師事務作業補助者を単なる書類作成代行業務に終始させるのではなく、よりその専門性を高めて医師やその他医療スタッフの診療に役立つことができるような職種を目指すべく、まずは名称から定義したということです。

似たような名称である「臨床心理士」とは全く別物の職種ですのでご注意ください。

 

2.医師事務作業補助者とは

医師事務作業補助者については別の記事で記載していますので、そちらをご覧ください。

 

3.臨床支援士の仕事内容

臨床支援士の仕事内容はすなわち医師事務作業補助者の仕事内容ということになります。

そちらも別の記事で記載していますので、ぜひご覧ください。

 

4.臨床支援士の資格制度

定非営利活動法人 日本医師事務作業補助研究会が2016年に医師事務作業補助者を臨床心理士として統一すると決議してからはや4年(2020年9月現在)が経ちますが、未だに「臨床支援士」としての資格制度は確立されていません。

「医師事務作業補助者」はその存在が広く認知されてきましたが、「臨床支援士」はまだまだ知名度が低く、その名称を医師事務作業補助者に用いている病院はごくわずかです。※「臨床支援士」名称を用いることは差し支えありません。

「医師事務作業補助者」の技能を認める民間資格で、「ドクターズクラーク」や「ドクターズオフィスワークアシスト」、「認定医師秘書」などがありますが、このように複数の資格認定団体がそれぞれに医師事務作業補助者を表す呼称を作ったため、名称の統一が成されていないのが実状です。

医師事務作業補助体制加算」もあるため、医師事務作業補助者のことを「医師事務」と略して呼ぶことが一般的になりつつありますが、日本医師事務作業補助研究会や上記の資格認定団体はそれをよしとしたくないようです。

 

5.臨床支援士にはまだなれない

以上を踏まえ、医師事務作業補助者が臨床支援士として資格制度化されるにはまだまだ時間がかかるでしょう。

とはいえ、現状の医師事務作業補助者として働きたいのであれば、わざわざ認定資格などを取得することに大きなメリットがあるとは思えません。

 

6.本記事のまとめ

  • 臨床支援士は医師事務作業補助者のことである
  • 臨床支援士は日本医師事務作業補助研究会が資格化を望んでいる
  • 医師事務作業補助者が臨床支援士に統一されることは難しいかもしれない
  • 医師事務作業補助者として働きたいなら認定資格の取得は必須ではない

 

7.おわりに

以上、臨床支援士は複数ある医師事務作業補助者の呼称の一つであるということについて明らかにしてきました。

いつの日か臨床支援士が資格化され、

「医師事務作業補助者としての採用条件に臨床支援士の資格を所持していること」

といったような資格要件を設ける病院が出てくるかもしれません。

現在、医師事務作業補助者として働いている人たちは、自分たちの地位向上を目指す日本医師事務作業補助研究会の活動に常に注目し、業界全体で努力していく姿勢をとることが大切でしょう。

働き方改革で注目を浴びている医師事務作業補助者だからこそ、今こそ自分たちの専門性をどんどん上げていき、存在意義を明示していくことが業務環境の改善に直結していく時期だと考えますので、積極的に活動していきましょう。

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