医療情報技師の更新制度について【完全解説】

医療情報技師 医療情報技師

医療の現場に電子カルテシステムが導入されて早や数十年が経ちますが、医療知識とコンピュータやネットワークなどICTの専門的な知識を併せ持つ医療情報技師の存在意義はますます高まる一方です。

しかし、医療情報技師の資格は更新であり、資格取得してから5年間のうちに医療情報技師育成部会が定めるポイントである「資格更新ポイント」を50ポイント獲得する必要があります。

医療情報技師がこの資格更新ポイントの獲得による更新制度であることから、資格取得に二の足を踏む方も多いことでしょう。

ご安心ください。実は医療情報技師の資格更新ポイントの獲得はそれほど困難ではありません。

本記事では、医療情報技師として資格更新ポイント(以下:ポイント)の獲得に勤しむ筆者が、医療情報技師の更新制度についてわかりやすく解説していきます。

これを読むことで医療情報技師の更新制度に対する不安が払拭され、資格取得のハードルがずいぶんと低く感じることができますので、ぜひ最後までお読みください。

1.医療情報技師とは

医療情報技師に関してはこちらの記事にまとめていますのでご覧ください。

 

2.受験から更新までの流れ

まず医療情報技師の受験から更新までの流れを、2015年に受験し合格した例を元に見ていきましょう。

医療情報技師

毎年8月に試験が実施され、10月に合否の発表があります。(2020年は中止)

合格者は認定証が届くと晴れて医療情報技師となり、11月から5年間のポイント獲得期間が始まります

上図のように、資格取得から1回目の更新までの最初の5年だけは期間が変則的で、2015年の合格者なら、2015年11月~2021年3月までの5年5か月が有効期間です。

2回目以降の更新は年度ごとになりますので、2021年4月~2026年3月の5年間が有効期間となりますのでご注意ください。

医療情報技師

 

3.ポイント制度の概要と獲得方法

医療情報技師としての知識と技術の研鑽を怠らないよう定められた更新制は、医療情報技師の最たる特長と言えるでしょう。

医療情報技師を取得後もしくは更新後5年間のうちに合計50ポイントを獲得し、更新の手続きを行うことで医療情報技師の資格の有効期間を永続的に確保することができます。

「5年間で50ポイント」ということは「1年間で10ポイント」獲得すればいいわけです。

とはいえ、「1年間で10ポイント」がどれほどの難易度かをイメージできるようになるためにはポイント獲得方法を把握することが重要です。

どのような行動をとればポイントを獲得できるかを把握すれば、自ずと医療情報技師の資格取得のハードルは下がるでしょう。

ポイント獲得方法は実に多種多彩です。

それだけにご自身の仕事内容や勤務状況によって最善のポイント獲得方法は異なります。

以下に示すポイント獲得方法をそれぞれ把握し、ご自身にとってポイント獲得しやすい方法はどれかを考えて選択していってください。

3-1.生涯研修セミナー

生涯研修セミナーとは、医療情報技師育成部会が運営する医療情報に関するセミナーです。

医療情報の基礎的な内容から最新の事情に至るまで、大変有意義な内容になっています。

実際にセミナー会場に足を運ばなくても過去に実施されたセミナーをe-Learningを受講することで要件をクリアすることが可能です。

また生涯研修セミナーにもそれぞれポイントが設定されていますので、無駄にはなりません。

注意点として、生涯研修セミナーを受講しないことには、たとえ50ポイントを取得していたとしても資格を更新することはできません

5年間のうちに必ず一度は生涯研修セミナーを受講することをお忘れなきようお願いします。

ちなみに生涯研修セミナーは一番安いものでも3,000円の受講料がかかります。

3-2.ポイントのつく学会・研修会

医療情報技師育成部会が定めた様々な団体が運営する学会・研修会に参加することで、所定のポイントを獲得することができます。

この学会・研修会の参加がポイント獲得方法の中でも最もポピュラーで基本であると言えるでしょう。

学会・研修会の情報は医療情報技師育成部会のホームページに「ポイントのつくイベント」として案内されていきますので、定期的に確認するようにしましょう。

ポイントのつくイベントはたくさん実施されていますが、参加費がかかることはもちろん、会場が日本全国に渡るため、いかんせん交通費がかかります。

勤務先に出張や研修扱いで費用を出してもらえる方なら問題ありませんが、私費でイベントに参加する場合、多額の費用がかってしまうことが難点です。

3-2-1.2020年以降のイベント

2020年現在の特筆すべき点としては、多くのイベントがweb開催になっていることです。

従来は100%会場での実施(オフ会)で足を運ぶ必要がありましたが、社会情勢の変化によりweb開催が主流となりつつあります。

これはポイントを獲得していく上で大変な追い風となりました。

交通費や移動時間がかからず、参加費だけで自宅からオンラインでイベントに参加することができ、ポイントを獲得することができます。

今後はオフでのイベント開催が可能になったとしても、「医療情報」という特性上、web開催が主流になっていくだろうというのが筆者の見通しです。

 

3-3.医療情報に関連する実務活動

医療情報に関する実務活動とは、わかりやすく言えば医療情報技師としての実務経験です。

医療情報技師としてなんらかの業務に従事していることを証明すれば、1年間で5ポイントを獲得することができます。

たとえば、医療情報技師を取得してからの5年間、病院で医療情報に関する業務に携わっていたり、医療情報システムのベンダーに勤務していたのなら、5ポイント×5年間で25ポイントを獲得することができます。

普通に勤務しているだけで25ポイントが得られる方なら、更新のハードルがグッと下がりますね。

ただし、どこまでの業務内容が「医療情報に関連する実務活動」に該当するかは医療情報技師育成部会の判断に委ねられます。

たとえば病院において、一般的な医事業務や診療情報管理業務に従事している方は「医療情報に関連する実務活動」とすることは難しいだろうと考えます。

どこまでが「医療情報に関連する実務活動」に含まれるかは、医療情報技師育成部会に問い合わせ、確かな情報を追って記載していきます。

3-4.その他のポイントのつく活動

その他にもポイントがつく活動はまだまだ存在します。

  • 医療情報学会の会員
  • 学会・研究会などの発表者
  • 学術論文の著者
  • 試験など委員会の委員
  • 検定試験の問題作成委員

などなど詳細は割愛しますが、こちらに列挙したものは若手の方には少し難易度が高いように感じます。

医療情報技師として徐々に実績を積み重ねていくと、論文を執筆したり委員になったりという機会に恵まれていきますので、まずは焦らず下積みとしてポイントのつくイベントに参加していきましょう。

 

4.獲得したポイントの管理方法

獲得したポイントは、医療情報技師育成部会の「資格更新ポイント確認画面のご案内」で確認することができます。

ご自身が閲覧したe-Learningや参加したイベントなどで獲得したポイントが自動的に反映されますので、大変便利なツールです。

適宜確認し、ポイント獲得計画に役立ててください。

ただし、画面上で確認できるポイントとそうでないものがありますので、漏れのないようにご注意ください。

 

5.更新手続きについて

資格取得から5年目を迎えた春からは更新の手続きを意識していきましょう。

自分ではポイントとしてカウントしていたものでも、実際には該当しなかったというケースも起こり得ますので、事前に医療情報技師育成部会への確認を怠らないようにしてください。

手順はこちらの「更新手続きの流れ」に記載されています。

簡単に流れを説明すると、

  1. web申請を行う
  2. web申請後に表示される書類(web申請書)を印刷しサインと写真を貼り付ける
  3. web申請書・ポイント申請書類・活動証明書を医療情報技師育成部会事務局に郵送する

ポイント申請書類・・web上で確認できないポイントを申請するためのもの
活動証明書・・3-3の医療情報に関連する実務活動を証明するためのもの

以上の手続きを踏むことで審査が開始され、審査に通り更新料を支払うと更新が完了です。

ポイントさえ獲得していれば更新手続き自体は苦労しませんし、上記リンクから必要書類は全てダウンロードできますので、ゆっくり確実に更新作業を行ってください。

6-1.更新料について

医療情報技師の更新には50ポイントを獲得することに加え、更新料が必要です。

更新料は10,000円(2023年現在) です。

この更新料ばかりはどうすることもできず、必ず必要な料金です。

6-2.更新の申請期限猶予について

妊娠・出産・育児、長期療養、家族の介護、その他の事情がある場合、更新の申請期限を猶予してもらうことができます。

それぞれの事情に応じて必要な書類や手続きが異なりますので、該当する方は医療情報技師育成部会に早めに相談するようにしてください。

資格更新期限延長制度について

7.受験し直す方がよいのか?

ここまでお読みいただいた方で、「更新は大変だ!」と感じた方もいらっしゃることでしょう。

医療情報技師の受験料は15,000円なので、ポイント獲得など更新の手間やコストを考えると

「更新せずに受験し直した方が安く済む」

と考えることもできます。

私自身は、ポイントを獲得していく過程で多くの学びと出会いがありますし、ポイントが貯まっていく様が達成感があって楽しいので、しっかり50ポイント獲得して更新をします。

試験を受けることが苦ではないのなら受験し直すことも手ですが、医療情報技師の業界でがっつりやっていくなら更新をおススメします。

 

8.最短のポイント獲得方法

受験し直すことはできないけどやっぱり楽してポイントを稼ぎたい!

という方はお金にものを言わせるしかありません。

10ポイント8000円の生涯研修セミナーを5つe-learningで受講すれば、ポイント要件を簡単に満たすことができます。

計40,000円のセミナー受講料と、更新料の10,000円で合計50,000円で医療情報技師の更新を買うようなものです。

ですが裏技的な方法であり、本来の更新制度の主旨とは外れるため、おすすめはしません。

上記の方法はあくまで救済措置としてお考えください。

 

9.本記事のまとめ

  • 医療情報技師は更新制である
  • 5年間で50ポイント獲得する
  • ポイント獲得方法は様々である
  • Webのイベントが増えると獲得しやすい
  • 実務活動もポイントとしてカウントされる
  • 早めに更新手続きの準備をするように
  • 更新が手間なら受験し直すのもあり
  • 50,000円あれば更新は可能である

 

10.おわりに

以上、医療情報技師の更新制度について解説してきました。

ぼやっとしたイメージで把握してると難しそうに感じる更新制度も、要点を押させることができればずいぶん簡単に感じてきたかと思います。

どのような資格を取得しても、更新が無いだけで実質学会や研修会には参加するものです。

ご自身の専門性を高めていくためにも、積極的に研修に参加し、人脈を作り、業界で活躍できる人材になれるよう、一緒に研鑽していきましょう。

 

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