医療事務か医師事務作業補助者のどちらで働くべきか【質問に回答】

医師事務作業補助者 医療事務

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。

当ブログは医療事務や医師事務作業補助者の方によくお読みいただいているようで、少しでもその業務のお役に立てているのでしたら大変嬉しく思います。

今回は医師事務作業補助者に関してご質問をいただいた内容をご紹介し、記事を展開していきます。

質問者様は医療事務として働きながらも医師事務作業補助者に魅力を感じていらっしゃるようです。

同じような境遇や思いをお持ちの方とも共有できればと考えますので、ぜひ最後までお読みください。

1.質問内容

過去に医師事務作業補助者(以下:医師事務)のような業務を担当しており、現在はクリニックにて医療事務をしております。
私としては医師事務として働いてみたい気持ちが強いです。
とてもやりがいのある仕事で今後重要も高まるのかなという職種であるのにもかかわらず、正社員での採用が少ないのは何故だと思われますか?
やはりお給料だけで考えると、医療事務の方が良いので・・。
医療事務でこのままいくか、医師事務として飛び込んでみるか迷っております。

※質問者様の性別やご年齢、また地域など詳細は不明です。

質問者様は、

  • 医療事務として働いているが、医師事務作業補助者に魅力を感じる
  • 医師事務作業補助者には正社員の求人が少ないが、なぜだと思うか
  • 給与面のこともあり、医療事務でいくか医師事務に飛び込むか迷う

ということでした。

ポイントは正社員の医療事務非常勤の医師事務作業補助者を比較されているということです。

以上のご質問内容に沿って、一つずつ説明や回答をしていきます。

 

2.クリニック勤務のリスク

まず差し出がましくはありますが、「クリニック勤務」ということに関して私の考えをお伝えします。

お勤めのクリニックの規模にもよりますが、たとえば医師が一人だけで後継ぎもいないようなクリニックは「沈みゆく船」だと考えます。

どれだけ名医の医師でも、その先生の医師としての寿命が尽きてしまえばそのクリニックは経営できなくなってしまい、従業員は職を失ってしまいます。

もちろんクリニック全般がダメということではありまえせん。

クリニックと一口にいっても、たくさんの医師が在籍していたり、医師のお子さんなどの後継ぎがいてクリニックとしての未来設計ができているところは大丈夫です。

ですが医師が一人しかおらず、その先生が働けなくなった場合の計画など先を見据えていないのであれば、大変リスクが大きいでしょう。

家族や配偶者でもないたった一人の人間に、自分の人生を委ねるということになりますので、なかなか危険な働き方だと考えます。

 

3.医師事務作業補助者はなぜ正社員の採用が少ないのか

なぜ医師事務作業補助者は正社員での採用が少ないのか、それは単純に

「医師事務作業補助者を正社員で雇うメリットがないと考えている」

ということであり、つまりは「非常勤で十分」と病院が考えているということです。

ですが医師事務作業補助者を正社員で雇用する病院もあります。

医師事務作業補助者を正社員で雇用する病院と非常勤で雇用する病院の考え方にどのような違いがあるでしょうか?

それぞれの病院について考察していきます。
 

3-1.医師事務作業補助者を正社員で雇用する病院

医師事務作業補助者を正社員で雇用するということは、医師事務作業補助者に存在意義を見出し期待している病院です。

医師の事務作業をたくさんサポートしてもらって、医師には患者の診療や手術に注力してもらいたいと考えているのでしょう。

医師事務作業補助体制加算の点数だけではなく、医師事務作業補助者を雇用することで生み出される医師の時間的余裕に大きく着目し、病院全体の最適化に寄与する可能性を見出しているのです。

3-2.医師事務作業補助者を非常勤で雇用する病院

医師事務作業補助者を非常勤として雇用するということは、医師事務作業補助体制加算を算定するためだけに人員を配置することが目的となっているのでしょう。

加算以外の表には出てこないメリットを見出すことができず、最低限、医師事務作業補助者を配置さえしておけばいいという考えです。

医師事務作業補助体制加算がとれるし、対外的にも”医師事務作業補助に力を入れている”ということをアピールすることができるという算段ということです。

3-3.考察の結果を振り返って

医師事務作業補助者を正社員で雇用する病院と非常勤で雇用する病院、それぞれの院長や事務長にインタビューを行った訳ではないので確かではありませんが、私の知る複数の病院の状況を鑑みた結果、上記のような考察結果となりました。

医師事務作業補助者を正社員として雇用する病院の方が素晴らしいような書き方をしましたが、もしかしたらそんな病院は医師に重心を置くがあまり、医師事務作業補助者に大きな負荷がかかってくるかもしれません。

結局はどこも一長一短であり、入職してみないことには実態はわかりません。

 

4.正社員としての医師事務作業補助者の枠がない場合

それでもやはり正社員として医師事務作業補助者で勤めることは大変魅力的です。

質問者様のおっしゃる通り、医師事務作業補助者として働きたいと思える病院があるけれど、採用は非常勤でしか募集していないという場合はどうすればいいのでしょうか?

もしその病院が医療事務なら正社員として募集しているということであれば、まずは正社員の医療事務としてその病院に就職することがベストだと考えます。

正社員として入職させしてしまえば、あとは医療事務としてしっかり働きつつ、医師事務作業補助者の業務にもどんどんからんでいきましょう。

そして実績を積んでいきながら異動希望を出していけば、いつかは医師事務作業補助者に異動することも可能です。

私自身、診療情報管理士を以て医療事務として採用された病院で、もう一つの所持資格である社会福祉士としての異動のチャンスをもらうことができました。
(結局、診療情報管理士の方を選びましたが)

たとえ非常勤でしか医師事務作業補助者を募集していない病院であったとしても、医療事務として医師の先生方と信頼関係を構築し、より良い医師へのサポート方法など積極的に提案していけば、正社員の方を医師事務作業補助者に異動させることもあり得ます。

前例がなければ作ればいいだけです。

 

5.「正社員」にはこだわった方がいい

正社員という立場にはこだわった方がいいというのが私の持論です。

人によって非常勤で働かざるを得ない事情はたくさんあり、非常勤の全てが悪いわけではありませんが、一度非常勤になってしまえば、次に正社員として働くことが難しくなってしまいます。

また、一度給料が下がってしまえば、再就職の際もそれなりの給料のところでしか働けなくなります。

その人の能力や実績を正当に評価するには履歴書や面接では限界があり、面接官や人事担当は今までの雇用形態や給与で判断せざるを得ません。

「正社員だから」「非常勤だから」と一概に言えるものではありませんが、まだまだ優遇されているのが正社員です。

積極的に正社員枠を狙っていくことが妥当であると考えます。

 

6.本記事のまとめ

  • 一人医師のクリニックはハイリスク
  • 医師事務作業補助者に期待している病院は正社員
  • 医師事務作業補助者に期待していない病院は非常勤
  • 非常勤しかないなら正社員で募集している職で入職する
  • 非常勤になってしまうと正社員に戻ることは難しい
  • 正社員という立場はまだまだ魅力的である

 

7.おわりに

以上、今回は初めて頂いたご質問をもとに記事を書き起こしていきました。

このような回答でよろしかったら、どんどんご質問にお答えしていきたいと考えますので、ぜひツイッターのDMにてご質問くださいませ。

ご質問者様、この度は有意義なご質問をいただき、誠にありがとうございました。

これからも一緒に医療業界を支えていきましょう。

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