医療事務系の職種に就きたいと考え、資格や検定について調べていくと「メディカルセクレタリー」という資格にたどり着かれた方もいらっしゃるでしょう。
果たしてメディカルセクレタリーとは?他にもたくさんある医療事務系の資格とどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、「メディカルセクレタリー」の概要を明らかにしていきます。
医療事務系の資格には似たような名称がいくつかあるため、ご自身のやりたい職種と合致しているものかどうかをしっかり把握し、間違えることなく資格取得を目指していきましょう。
メディカルセクレタリーとは、「NPO法人 日本メディカルセクレタリー機構」が実施する試験に合格することで得られる称号であり、業種は「医師事務作業補助者」のことを指します。
詳しく見ていきましょう。
目次
1.メディカルセクレタリーとは
メディカルセクレタリーに関して、「日本メディカルセクレタリー機構」のホームページに以下のように説明されています。
日本の「医師事務作業補助者」に相当する職種として、欧米では「メディカルセクレタリー(医療秘書)」と呼ばれる職種が存在します。その業務は1920年代に登場しており、やはり多忙な医師の右腕として幅広い業務を担って活躍してきた歴史があります。
一方、日本では医療秘書に対する制度上の裏付けがなかったため、その業務内容はまだ確立に至っていません。しかし、日本でも医師事務作業補助加算の新設を契機に、欧米の「メディカルセクレタリー」に匹敵するような業務が求められていくと考えられます。
※NPO法人 日本メディカルセクレタリー機構のホームページより引用
つまり、日本の医師事務作業補助者にも欧米の「メディカルセクレタリー」のように、医師の右腕として頼れる人材を養成していきたいという考えから設立された機構であり、試験であるということです。
「NPO法人 日本メディカルセクレタリー機構」が実施するメディカルセクレタリー(初級)資格認定試験に合格することによって「メディカル・セクレタリー(初級)」の称号が与えられるのです。
※2020年5月現在、メディカル・セクレタリーは(初級)のみで(中級)や(上級)は開設されていません。
1-補足.登録商標について
「日本メディカルセクレタリー機構」は「メディカルセクレタリー」という商標に対して商標登録はしていないようです。
登録商標とは、特許庁に商標登録出願をして審査の結果、合格して登録された商標のことです。
たとえば、「一般財団法人 日本医療教育財団」の「ドクターズクラーク」は商標登録をしているため、「一般財団法人 日本医療教育財団」しか「ドクターズクラーク」という称号を扱うことができず、また「一般財団法人 日本医療教育財団」の試験に合格した人でなければ「ドクターズクラーク」と名乗ることはできないということになります。
商標を登録していない以上、メディカル・セクレタリーは「日本メディカルセクレタリー機構」以外でもその名称を用いることができますので、悪質な類似品にはご注意ください。
2.医師事務作業補助者とは
医師事務作業補助者については別の記事で記載していますので、そちらをご覧ください。
3.メディカルセクレタリーの仕事内容
メディカルセクレタリーの仕事内容はすなわち医師事務作業補助者の仕事内容ということになります。
そちらも別の記事で記載していますので、ぜひご覧ください。
4.メディカル・セクレタリー(初級)の受験資格
メディカル・セクレタリー(初級)の受験資格は以下のように規定されています。
- 厚生労働省が医師事務作業補助者配置の基準としている32時間以上の研修を履修した者
また、受験料は6,000円です。
5.メディカル・セクレタリー(初級)取得するメリット
受験資格を踏まえて、果たしてメディカル・セクレタリー(初級)を取得するメリットはあるのでしょうか?
受験資格を満たすということは、既に医療機関に勤めて医師事務作業補助者に必要な研修が終えている方であるため、今更資格を取得する必要はないと考えます。
試験に合格することで、医師事務作業補助者に必要な6ヵ月の研修と32時間研修の代替となるなら取得する価値もあるでしょうが。
※あくまで私個人の意見です。
6.本記事のまとめ
- メディカルセクレタリーは欧米の医師事務作業補助者に相当する職種である
- 欧米の医師事務作業補助者を目指すべく日本メディカルセクレタリー機構が設立された
- 日本メディカルセクレタリー機構がメディカル・セクレタリー(初級)資格認定試験を実施している
- メディカル・セクレタリー(初級)を取得するメリットは多いとはいえない
8.おわりに
メディカル・セクレタリーは複数ある医師事務作業補助者の資格の中の一つであるということについて明らかにしてきました。
時間的・金銭的な余裕がある人はメディカル・セクレタリー(初級)を勉強するのもよいでしょう。
しかし、様々な団体が医師事務作業補助者の別名を考えて定着させようとがんばっている様子がうかがえますが、医師事務作業補助者の資格は、雇用に資格を要しない以上コストパフォーマンスが高いとはいえませんので、すぐさま就職してしまいましょう。