超過労働を強いられている医師の働き方を改革すべく、医師の事務作業を補助する役割として今注目株である医師事務作業補助者。
大変魅力的な職種ですが、医師事務作業補助者に関する資格は複数存在し、どの資格を取得すべきかの判断が難しいところでした。
しかし、ついに取得すべき医師事務作業補助者の資格が明確となりました。
それは「一般財団法人 日本医療教育財団」が主催する「医師事務作業補助技能検定」、通称：ドクターズクラーク検定です。
この記事を読むことで、医師事務作業補助者に必要な資格がドクターズクラークであることの根拠が明らかとなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.医師事務作業補助者とは
医師事務作業補助者がよくわからない方は先に以下の記事をお読みいただくと理解がスムーズに進みます。
2.ドクターズクラークとは
ドクターズクラークについてはこちらにまとめています。
ドクターズクラークを簡単に説明しますと、「一般財団法人 日本医療教育財団」が主催する医師事務作業補助者の技能を証明する検定である「医師事務作業補助技能検定」に合格することで得られる称号がドクターズクラークです。
「一般財団法人 日本医療教育財団」が「ドクターズクラーク」を商標登録していますので、「一般財団法人 日本医療教育財団」以外の団体が実施する医師事務作業補助者関連の検定ではドクターズクラークを名乗ることはできません。
3.筆者が推奨する明確な根拠
ここからが本記事の本題となります。
なぜ筆者が医師事務作業補助者に関する複数ある資格のうち、一般財団法人 日本医療教育財団が主催する医師事務作業補助技能検定(以下：ドクターズクラーク検定)がベストであるという結論を出したことには明確な根拠があります。
それは医師事務作業補助者研究会が実施したアンケート項目です。
3-1.医師事務作業補助者研究会とは
特定非営利活動法人 日本医師事務作業補助研究会（以下：研究会）とは、
医療関係者および市民に対して、医師事務作業補助者の実務能力の向上、業務環境の改善、医師事務作業補助領域の開発及び普及に関する事業を行うことにより、勤務医の負担軽減等に貢献し、もって医療の質の向上に寄与することを目的とした活動を行っています。※ホームページより抜粋
以上のように、医師事務作業補助業務に従事する当事者団体として、医師事務作業補助者の地位を高めていくべくご尽力されている組織です。
3-2.アンケートの概要
研究会が2019年3月1日から4月30日の期間に、医療機関とそれに従事する医師事務作業補助者に対し、「2018年度 医師事務作業補助者調査」として大規模なアンケートを実施しました。
目的
医師事務作業補助者の実態を全体的に把握する公的な調査が行われていないため、当研究会で、その実態を把握し、実務能力の向上、業務環境を改善するため、自主事業として、我が国で初めて本格的な医師事務作業補助者の実態調査を実施した。
有効回答数
施設数 1,686施設（アンケート配布施設数11,521施設 有効回答率14.6％）
実務者 3,135名 （母数不明）
※ホームページより抜粋
この有効回答数からもわかる通り、大変大規模なアンケート調査であり、得られる結果は限りなく医師事務作業補助者の実態を反映することができる有意義な調査であったことがうかがえます。
3-3.アンケートのある項目に着目
数あるアンケート項目の中でも着目したのが、回答者に所持資格を問う項目です。
そこには医師事務作業補助者に直結する資格の中でも問われていたのは一般財団法人 日本医療教育財団の医師事務作業補助技能検定、すなわちドクターズクラーク検定だけでした。
問22.所有資格について伺います。
回答欄からあなたが取得している資格をすべて選んでください。（複数回答可）
□医師事務作業補助技能検定（一般財団法人 日本医療教育財団）
□診療情報管理士（四病院団体協議会 および 医療研修推進財団）
□医療情報技師（一般財団法人 日本医療情報学会）
□医療秘書技能検定（一般財団法人 医療秘書教育全国協議会）
□診療報酬請求事務能力認定（公益財団法人 日本医療保険事務協会）
□看護師
□臨床検査技師
□社会福祉士
□介護福祉士
□栄養士
□精神保健福祉士
□その他の医療系国家資格
□その他の医療系民間資格
□該当なし
これは実際のアンケート項目です。
このことから、ドクターズクラーク検定以外の医師事務作業補助者に関する資格は持っていようが特に構わないということです。
わざわざアンケート項目に入れ聴取したいということは、それだけ大切なことだということです。
皆さんも他者に質問する時、自分にとって重要なことを中心に質問をしますね。
それと同じくアンケートも、項目にあるということは医師事務作業補助者研究会にとってドクターズクラーク検定をパスしたかどうかが重要であり把握したいと考えている他ありません。
たとえば「その他の医師事務作業補助者に関する資格」といったように、ドクターズクラーク検定以外の医師事務作業補助者に関する資格の有無を聞いてもいいようなものの、それすらもないのですから驚きです。
医師事務作業補助者研究会と一般財団法人 日本医療教育財団がどのような関係でどのようなお約束ごとが交わされてるか交わされていないかは全く不明です。
しかしこのアンケートによって、ドクターズクラーク検定が他の医師事務作業補助者関連の資格と比べて頭一つ抜き出た存在であることが明確となりました。
4.アンケート実施による現場の変化予想
実際にこのアンケートを目の当たりにし、回答した医師事務作業補助者や人事（採用）担当者はどう考えるでしょうか？
ここからは予想の域をでませんが、おそらくはこう考えるでしょう。
医師事務作業補助者
医師事務作業補助関連の資格で問われるのはドクターズクラーク検定だけか、じゃあこの資格を取得しよう
人事（採用）担当者
医師事務作業補助関連の資格はドクターズクラーク検定一択なのか、では医師事務作業補助者の採用にはドクターズクラーク検定所持者を優遇しよう。
といったように、ドクターズクラーク検定に重みを置くようになることが予想されます。
施設単位の有効回答率が15％程度とはいえ、多くの施設や実務者の目に触れたであろうこのアンケートは、他の医師事務作業補助者関連の資格と比較してドクターズクラーク検定の価値を大きく向上させることに資することとなったでしょう。
5.本記事のまとめ
- 医師事務作業補助者研究会がアンケートを実施した
- アンケート項目でドクターズクラークの有無を聴取した
- 回答者はドクターズクラークを重視することが予想される
- 今後はドクターズクラーク検定が抜きんでてくる可能性がある
6.おわりに
以上、医師事務作業補助者の実態調査とドクターズクラーク検定について述べてきました。
今後の行く末はまだまだ未知数ではありますが、今回の実態調査によってドクターズクラーク検定が注目を浴びたことには間違いありません。
本記事が医師事務作業補助者として働くことや資格取得を考えている方の一助となりましたら幸いです。
またアンケート全体の解説も行いますで、そちらも併せてお読みください。
