急な病気や事故などで医療機関を受診しなければならなくなった時の不安は大変大きなものです。
病気やケガの心配があることに加え、病院での支払いはどうなるのか、健康保険証は必ず必要なのか、手持ち金が足りなかったらどうしよう・・など、様々な疑問が生じてきて余計なことも気にしないといけません。
結論としては「医療機関による」のですが、多くの病院は支払いを待ってくれるケースがほとんどです。
この記事では、医療事務として15年以上の経験を持つ筆者が、病院での後日支払いについて解説していきます。
いざという時の緊急時に備え、普段から事前に調べておくことが大切ですので、ぜひ最後までお読みください。
※説明を簡潔にするため保険証の有無は問わず、あくまで請求額に対して所持金が足りない場合のケースで展開していきます。
1.病院は後日支払い可
多くの病院において、医療費は後日支払いで大丈夫なケースがほとんどです。
急病や事故の時はもちろん、予約診療であってもその日に行う検査や処置、投薬がどれほどの額になるかは実際に診療が終わったあとでなければわからないことが一因にあります。
(例えるなら時価のお寿司屋さんに行くようなものですね)
また病院によっては17時以降は支払い窓口や精算機が閉まるといったケースもあり、平日に予約で受診したにも関わらず強制的に支払いが後日になることもあります。
商店や飲食店など違い、病院は保険証など超重要な患者さんの情報を握っていますので、後日払いでも大丈夫なのです。
後日払いを希望する場合は、会計時にその旨をおっしゃってください。
2.後日支払いの方法とは
後日支払いの方法としては、
1.来院して支払う
2.振込にて支払う
この2パターンに分かれます。
1.来院して支払う
病院がご自宅からそう遠くないのであれば、お金やクレジットカードを準備した上で直接病院に行き、窓口等で支払いをするといいでしょう。領収書もその場で発行してもらえます。
ただし、病院によっては曜日や時間帯で支払いができるタイミングが決まっていますのでご注意ください。
大学病院などは土日祝や診療時間外は窓口が閉まっていることもしばしばです。
2.振込にて支払う
病院がご自宅から遠方であったり、窓口の開いているタイミングに来院できそうにない場合は、振込でのお支払いも可能です。
病院の窓口で振込で支払う旨を伝えれば、振込案内の説明をしてくれたり用紙をくれたりするでしょう。
銀行・郵便局からの振込の他、コンビニ支払いが可能な医療機関もあるかもしれません。
振込による支払いの欠点としては、依頼や来院しないと領収書が発行されないことです。
医療費を振り込んだからといって自動的に領収書を郵送してくれる病院はかなり稀です。
返信用封筒を送付することで領収書を送ってくれるか、来院して取りに行くか、いずれにせよ振込の場合は領収書取得に手間がかかります。
3.とはいえ当日払いが原則
病院が支払いを待ってくれるとはいえ、やはりその日に払っていただきたいのが働く側の人間としての本音と言わざるを得ません(苦笑)。
ですので緊急の場合は仕方ありませんが、大きな処置やCT・MRI検査など普段より重めの医療行為をすることが事前にわかっている場合は現金を多めに持ってきたり、クレジットカードを用意したりしておくなどして、できるだけ当日払いをしていただけると助かります。
また診療の予約をしているとはいえ、予約時間に診療が開始するとは限りませんし、所要時間も読めません。
「このあと用事があるから次回予約の時に支払う」とおっしゃる患者さんのお気持ちは痛いほどわかりますし、お待たせしていることも大変心苦しく思います。
しかしながら、それでも商店や飲食店のように診療を受けた当日に支払うことが当たり前であると、そうお考えいただけると至福の歓びでございます。
4.後日払いを避けたい病院もある
後日払いをなんとか阻止しようと院内にATMを設置している病院も多くみられます。
特に民間の病院では未収金が増えることが経営の圧迫に直結しますので、是が非でも診療をしたその日に支払ってもらいたいのです。
どうしても当日支払いができない場合、「いつまでに支払えるか?」しつこいほどに債務確認を取られ、運転免許証など保険証以外の身分証明書の提示も求められます。
(さすがに未成年でもない限りは「家族に連絡してお金を持ってきてもらって」ということまではないでしょう)
これをご覧の品行方正なあなたとしては、「絶対払うのにしつこいな・・」と思うことでしょう。
ですが世の中には、医療費を支払わずに逃げるとんでもない輩がごまんといるのです。
5.本記事のまとめ
- 病院は後日払い可
- 振込支払にも対応している
- 来院して支払う際は営業時間に注意
- 基本的には当日払いが原則とのご理解を
- 後日払いをさせてくれない病院もある
5.おわりに
以上、病院の支払いは後日払いでも可能であるということについて説明してきました。
医療というのは、その特異性から他のサービスと同列に考えることは難しいです。
病院側の人間としては、最大限患者さんに寄り添った対応を心がけたいと考えておりますので、患者さん自身もほんの少しだけで結構ですので、病院の健全な運営にお力添えいただけますと幸いです。