「理学療法士」や「柔道整復師」などに医療系資格を取得する場合、大学か専門学校のどっちがいいか?といった疑問が生じてきます。
どちらの学校に進むべきか悩ましいところですが、この記事ではそれぞれの学校の教育システムを踏まえ比較していきながら説明していきます。
皆さんの進学の一助となりましたら幸いです。
福祉系の資格を取得するべく専門学校に入学し、同時に通信制の大学のカリキュラムを履修した経験と、さらにその専門学校の教員として勤めた経験から、
果たして、大学と専門学校のどちらに進学すべきか!?
を伝えていきます。
【結論】その人の性格によるが、大学を薦める
まず結論から述べましたが、大学と専門学校を比較しても一長一短があり、学生さん一人ひとりの個人差もありますので、一概にも「どちらの方がいい!」とは断定できません。
しかし、私の経験上、大学を薦めるという結論になりました。
その辺りを順序立てて説明していきますので、これをご覧の皆さん個人の性格と照らし合わせて考えてみてください。
1.授業形態
1-1.大学
大学は「単位制」なので、卒業に必要な単位と、目指す資格に必要な単位を取得する必要があります。
自分自身で単位取得状況を管理し、時間割を把握して受講する必要がありますのが、その分自由度が高く、「1年次に単位を落としたため2年次に取得する」といったことも可能です。
また、4年間通うため、比較的授業数は抑えられており、余裕をもって学業に取り組みながら大学生活を楽しむことができます。
1-2.専門学校
専門学校にも、目指す資格を取得するために必要な授業数は大学と変わりありませんので、同じ分だけ授業を受ける必要があります。
それに加え、専門学校が独自に設けた「社会人として必要な知識や技術が学べる授業」も受講する必要があります。
こういった授業は専門学校は「大学にはない強み」として捉えており、学生によっては
「いろいろやってくれて嬉しい」と考えるか「資格の単位には関係がないので煩わしい」が分かれます。
また、そのような授業が入ってくるため、大学のように「1年次に取り逃した単位を2年次に取得する」ということができにくい仕組みになっています。
そして、専門学校のカリキュラムは「取りたい資格の最低年限」で組まれるため、大学なら4年間かかるところを専門学校なら3年間など短い期間で取得することが可能です。
そのため、時間割がみっちり埋まっており、ゆとりを感じることはあまりありません。
これをメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかで学校選びの大きな基準となるでしょう。
2.学校側の対応
2-1.大学
繰り返しになりますが、大学は単位制のため、自分で単位の取得状況を把握し、申請した授業の時間に遅刻しないように自分で朝起きて登校する必要があります。
担任の先生もいませんから、全てを自分で管理して律していく必要があります。
2-2.専門学校
専門学校では、ほとんどが「担任制」をとっており、学生一人一人の単位を把握してくれています。
「気づいたら単位を逃していた」ということもなく、しっかりと担任がおんぶにだっこで管理してくれています。
また、授業もほとんどが朝から夕方までの4限分、きっちりありますので、規則的に登校することができます。
以上の授業形態と学校の対応から、
- 自己管理できるなら大学
- 自己管理ができないなら専門学校
という判断基準で学校を選んでもいいでしょう。
3.立地面
3-1.大学
大学は駅から離れた土地に広大なキャンパスという立地が多いです。
緑に囲まれたキャンパスはとても心地よい反面、駅からの遠さや移動教室の不便さなどがあります。
しかし、近年では駅に近い大学も増えており、状況が変わってきています。
3-2.専門学校
専門学校は、そのほとんどがビル一棟程度の規模ですので、都会の立地のいいところに建てられています。
そのため、非常に通学しやすい反面、教室等の広さは十分でない場合があったり、もちろんキャンパスはなかったりと、大学より設備面では圧倒的に劣ります。
4.おわりに
こうして大学と専門学校を比較してみると、それぞれの良い点や悪い点が見えてきたと思います。
ご自身の性格を踏まえて、一体自分にはどちらが合っているのかをよく考えて、悔いのない学校選びににしてください。
最後にこの言葉を皆さんにお贈りします。
専門学生は大学生に憧れを抱くが、大学生は専門学生に一切憧れない