医療事務系の職種に就きたいと考え、資格や検定について調べていくと「ドクターズクラーク」という資格にたどり着かれた方もいらっしゃるでしょう。
果たしてドクターズクラークとは?他にもたくさんある医療事務系の資格とどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、「ドクターズクラーク」の概要を明らかにしていきます。
医療事務系の資格には似たような名称がいくつかあるため、ご自身のやりたい職種と合致しているものかどうかをしっかり把握し、間違えることなく資格取得を目指していきましょう。
ドクターズクラークとは、「一般財団法人 日本医療教育財団」の登録商標であり、業種は「医師事務作業補助者」のことを指します。
詳しく見ていきましょう。
目次
1.ドクターズクラークとは
ドクターズクラークに関して、「一般財団法人 日本医療教育財団」のホームページに以下のように説明されています。
医師事務作業補助業務の従事者として必要な医療文書の作成、医学・薬学、医療に関する法律・法令等の知識と技能のレベルを評価、認定することによって、その職業能力の向上と社会的経済的地位の向上に資することを目的とします
※一般財団法人 日本医療教育財団ホームページより引用
つまり、医師事務作業補助者としての知識と技術の裏付け、そして医師事務作業補助者の地位を確立させるということを目的として作られた試験です。
「一般財団法人 日本医療教育財団」が実施する医師事務作業補助技能認定試験に合格することによって「ドクターズクラーク」の称号が与えられるのです。
1-補足.登録商標とは?
補足ですが、登録商標とは、特許庁に商標登録出願をして審査の結果、合格して登録された商標のことです。
そのため、「一般財団法人 日本医療教育財団」のみが「ドクターズクラーク」の商標を使うことができるので、「一般財団法人 日本医療教育財団」の試験に合格した人でなければ「ドクターズクラーク」と名乗ってはいけないことになります。
2.医師事務作業補助者とは
医師事務作業補助者については別の記事で記載していますので、そちらをご覧ください。
3.ドクターズクラークの仕事内容
ドクターズクラークの仕事内容はすなわち医師事務作業補助者の仕事内容ということになります。
そちらも別の記事で記載していますので、ぜひご覧ください。
4.ドクターズクラークの受験資格
ドクターズクラークの受験資格は以下のように規定されています。
- 教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
- 医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
- 認定委員会が前各号と同等と認める者
※1~3のいずれか一つに該当する者
ホームページを見る限りは、3で受験するためにどのような証明が必要なのかは不明です。
また、受験料は9,200円です。
5.ドクターズクラークを取得するメリット
受験資格を踏まえて、果たしてドクターズクラークを取得するメリットはあるのでしょうか?
受験資格の3がどれほどハードルが高いかはわかりかねますが、1を満たすには専門学校等に通うか養成講座などを受ける必要があり、結構な費用と時間が必要になります。
また、2を満たした方は既に医療機関に勤めて医師事務作業補助者に必要な研修が終えている方であるため、今更資格を取得する必要はないと考えます。
試験に合格することで、医師事務作業補助者に必要な6ヵ月の研修と32時間研修の代替となるなら取得する価値もあるでしょうが。
※あくまで私個人の意見です。
6.メディカルクラークとの違いについて
似たような名称で「メディカルクラーク」というものもありますが、メディカルクラークもまた「一般財団法人 日本医療教育財団」の登録商標です。
メディカルクラークは「一般財団法人 日本医療教育財団」の実施する「医療事務技能審査試験」に合格することで、その称号を得られます。
医師事務作業補助者とはちがい、診療報酬請求事務(レセプト)業務や窓口業務、など医療事務職として求められる能力を備えていることを証明する試験です。
7.本記事のまとめ
- ドクターズクラークは日本教育財団の登録商標である
- ドクターズクラークは医師事務作業補助者のことである
- ドクターズクラークを取得するメリットは多いとはいえない
- ドクターズクラークとメディカルクラークは別の称号である
8.おわりに
ドクターズクラークは複数ある医師事務作業補助者の資格の中の一つであるということについて明らかにしてきました。
時間的・金銭的な余裕がある人はドクターズクラークのような資格を勉強するのもよいでしょう。
しかし、様々な団体が医師事務作業補助者の別名を考えて定着させようとがんばっている様子がうかがえますが、医師事務作業補助者の資格は、雇用に資格を要しない以上コストパフォーマンスが高いとはいえませんので、すぐさま就職してしまいましょう。