私たちが日常的に利用する※調剤薬局にはいくつかの選択肢があります。
※調剤薬局:病院や診療所などの医師の診断を経て発行された処方箋の指示に基づき、調剤して患者さんにお薬として受け渡す薬局のこと
その中でも、「門前薬局」と「大手ドラッグストアの調剤薬局」という二つの異なるタイプの薬局が存在します。
それぞれの薬局には独自の利点がありますが、今回は筆者がなぜ「門前薬局には行くな」と言うのか、その理由を説明していきます。
目次
1.門前薬局とは
大手ドラッグストアの調剤薬局と言えば皆さんイメージされる通り、お住まいの近所にあるス〇薬局やウ〇ルシアなどを指します。
一方で門前薬局とは、主に病院やクリニックなどの医療機関の近くに位置している薬局のことを指します。
「門前」という言葉は、文字通り「門の前」を意味し、病院や診療所、クリニックのすぐそばにあることから、こう呼ばれています。
門前薬局は、診察後に患者さんが処方せんを持ってすぐに薬を受け取れるようにするための便利な場所として機能しています。
そもそも調剤薬局自体が増えてきたきっかけは、厚生労働省が医師と薬剤師の専門性を活かすために医薬分業を進めたことにあります。
診療報酬の改定により、院外処方せんの点数が上がったことで医療機関にとって収益が見込める院外処方が増え、調剤薬局の需要が高まったのです。
少し古いですが日本薬剤師会による令和2年の統計では、医療機関の7割以上が院外処方を選択しています。
このような背景もあり調剤薬局が増加傾向にあるのです。
2.門前薬局を利用すべきではない理由
筆者が門前薬局を利用すべきではない理由には、門前薬局の薬剤師にぞんざいに扱われたことがあるからです。感染症で苦しい中、感染対策の観点から寒い店外で待つことは仕方のないことですが、やはり辛辣な対応は心にきますよね。
そういった経験もそうですが、一番の理由は大手ドラッグストアの調剤薬局を応援したいという思いがあります。
今やス〇薬局やウ〇ルシアなど大手のドラッグストアが薬剤師を配置し、調剤薬局としての機能を果たしてくれています。
これらドラッグストアは門前薬局と比較して、調剤薬局として対応してくれる時間や曜日がかなり融通が利くのです。
門前薬局は医療機関の目の前にあるため、処方箋をその場で受け取りやすいという利点がありますが、営業時間が医療機関に依存していることが多く、そのほとんどが土曜は午前中、日曜祝日は閉まっています。
急に薬が必要になった際には困ってしまいますよね。
一方で、ドラッグストアの調剤薬局は、夜遅くまで営業していることが一般的で、仕事が終わってからでも立ち寄ることができるため、忙しい現代人にとって非常に便利です。また、休日や祝日にも営業している店舗が多く、急な体調不良や薬の不足にも柔軟に対応してくれます。
医療機関は救急で診てくれるところがあるにも関わらず、救急で空いている門前薬局は皆無ですからね。
筆者の小さい子どもが台風でお盆の最中に熱を出した時も、ドラッグストアにお薬を調剤してもらいました。
「もしここが空いていなかったら子どもはどれほど苦しんだだろうか・・」そう考えるとドラッグストアに足を向けて眠れなくなりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
3.ドラッグストアの薬剤師を応援したい
ドラッグストアで働く薬剤師さんは調剤など薬剤師としての業務だけでなく、食品や日用品などの一般的なレジ打ち業務や品出し業務なども行っています。
高難度の薬学部への進学、薬剤師国家試験をパスしたエリートであるにも関わらず、ドラッグストア勤務は誰でもできるような作業も担当しなければならないため、「薬剤師免許を取ってこんなことをしなければならないのか・・」と憤りを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
「その分給料をもらっているだろう!」とクレームを言うのは簡単ですが、今の日本はどの業種も人手不足です。些末なことでクレームを言ったがために、あなたの身近な範囲で調剤ができなくなる恐れもあるのです。
そうしてご自身の専門性を生かしつつもフレキシブルに働く薬剤師さんに敬意を表し、応援していこうと考えたのです。
4.その他大手ならではの利点
1.豊富な商品ラインナップとサービス
大手ドラッグストアの調剤薬局では、処方薬だけでなく、OTC薬(一般用医薬品)、健康食品、サプリメント、化粧品、日用品など、幅広い商品を取り扱っているため、一度の訪問であなたの様々なニーズを満たすことができます。また、ポイント制度や割引セールなどのお得なサービスも多く展開されており、家計にも優しいのが嬉しいですよね。
2.専門性と信頼性の高さ
大手ドラッグストアの調剤薬局は全国展開しているため、その専門性と信頼性が非常に高いのです。薬剤師の研修や教育に力を入れており、最新の医療情報や薬の知識を持った薬剤師が多数在籍しています。
また、患者さん一人ひとりに対して丁寧なカウンセリングを行い、適切なアドバイスを提供してくれることで安心して薬を受け取ることができます。
3.地域社会への貢献
大手ドラッグストアは、その規模を活かして地域社会への貢献活動にも力を入れています。健康イベントの開催や無料の健康相談、災害時の支援など、多岐にわたる取り組みを行っています。
これにより、地域住民の健康と福祉、安全に大きく寄与しているのです。
5.本記事のまとめ
- 調剤薬局にはいろいろな形態がある
- 調剤薬局は開店時間など融通がきかない
- 大手ドラッグストアは開店時間が長く対応してくれる
- 企業のスケールメリットは便利さはもちろん地域貢献にもつながる
6.おわりに
以上、大手ドラッグストアを応援するという観点から、門前薬局に行ってはいけない理由を述べてきました。
私たちが薬局を選ぶ際には、利便性、商品ラインナップ、専門性、地域貢献といった様々な要素を考慮することが重要ですが、大手ドラッグストアの調剤薬局はこれらの要素を高いレベルで満たしているため、筆者はその応援をしたいと考えています。
もちろん、門前薬局にも利点がありますが、忙しい現代社会においては、より柔軟で利便性の高い大手ドラッグストアの調剤薬局が、私たちの健康を支える重要な存在であることは間違いないのです。