「入院のときは限度額適用認定証が必要」
そう思っている方も多いかと思いますが、マイナンバーカードの保険証利用が進んできた今、その認識は少し変わってきています。
結論から言えば、マイナンバーカードを保険証として登録していて、医療機関側が対応していれば、限度額適用認定証は原則として不要です。
本記事では、マイナンバーカードがあれば限度額適用認定証の代わりになることを職歴18年以上の医療事務員がわかりやすく説明しています。
多くの患者さんからさかんに質問される内容なので、ぜひ最後までお読みいただき把握しておいてください。
1.そもそも限度額適用認定証とは?
限度額適用認定証は、高額になった医療費を高額療養費制度として後から申請するのではなく、病院での支払いの時点から適用できるようにするための証明です。
これがあると、入院などで医療費が高額になる場合でも、窓口での支払いが自己負担限度額までで済みます。
今までは、これをあらかじめ取得して病院に提出するのが一般的でした。
2.マイナンバーカードがあるとどうなる?
マイナンバーカードを健康保険証として使うことで、保険者からの情報(限度額適用区分など)が医療機関側に自動で連携されます。
これにより、限度額適用認定証をわざわざ取り寄せて病院に持っていく必要がなくなります。
患者さんはマイナンバーカードを持参し、受付で提示すればOK!というわけです。
ただし、いくつか条件があります。
以下の条件にすべて当てはまっている場合に限り、「限度額適用認定証は不要」となります。
- マイナンバーカードを保険証として利用登録している
- 医療機関がマイナ保険証に対応している(現在はほとんどの医療機関が対応済み)
- 患者本人が、限度額情報の提供に同意している
いずれかが欠けている場合は、従来どおり認定証が必要になります。
また、公費負担医療や生活保護の方など、限度額認定証とは別の制度が関係するケースもありますので、個別の確認が必要です。
3.現場での対応として
マイナ保険証が普及したとはいえ、「限度額情報はあるか?」「情報提供に同意しているか?」までは、患者さん側ではわかりにくい部分です。
そのため、入院の予定がある患者さんは、病院窓口にて事前にマイナンバーカードの利用状況を確認しておくことをおすすめします。
直近で所得が変わった場合など、ケースによっては認定証を取り寄せておく方が確実な自己負担額となることもあります。
4.本記事のまとめ
- マイナンバーカードを保険証として利用していれば、限度額適用認定証は原則不要
- ただし、利用登録・同意・機器対応などの条件がそろっていることが前提
- 不安がある場合は、念のため取得しておくよう案内するのも一つの方法
制度としては便利になってきていますが、現場での運用はまだ過渡期の部分もあります。
わかりにくいことは医療機関の窓口にお問い合わせください。親身に対応いただけます。