近年では職種が細分化され、国家資格やその他公的機関、また歴史のある民間団体などが認める資格が多く存在します。
中でも大小様々な民間団体が独自で開発した民間資格が多数存在します。
しかし、それらは本当に必要な資格なのでしょうか。
筆者の実体験をもとに、細かな民間資格のメリットについてお話していきます。
テレビでも日々多くの資格検定のCMが流れています。
代表的なものであれば、「ユー〇ャン」のボールペン字講座などがありますね。
筆者が入学し、職員として勤務もした専門学校もまた
「複数の資格を取得することができる!」
という謳い文句で学生募集を行っていました。
ですが、断言します。
細かな民間資格をたくさん取得したところで、就職や仕事には役に立たず意味がない!
この記事では、筆者の経験を踏まえ、細かな資格を複数取得することの無意味さや、それらを目指す大学や専門学校の教育についてお話していきます。
進路に悩む高校生の方はもちろん、新しい仕事や資格を検討している方にもおすすめの内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
1.資格の市場価値
資格にはそれぞれ「市場価値」が存在し、資格を取得したことによって本人が仕事上得られるメリットとして反映されます。
そのため、資格取得によって得られるメリットが大きいほど「市場価値のある資格」であり、資格を取得しても得られるメリットが少ないもしくは全く無ければ「市場価値のない資格」と考えることができます。
資格取得のメリット 大 ⇒ 市場価値 大
資格取得のメリット 小 ⇒ 市場価値 小
先に述べたような細かな民間資格はどれも「市場価値のない資格」なのです。
具体例を出すとカドが立ちますので控えます(苦笑)。
2.資格取得によるメリットの一例
次に、資格取得の具体的なメリットの内容をみていきましょう。
- 給料アップ(基本給のアップや資格手当の追加など)
- 採用条件を満たすことができる(要普通自動車免許など)
- 資格取得に向けて勉強する過程で知識や技術が身につき仕事に役立つ
- 昇進の判断材料になる(職場が管理職に必要な資格取得を推奨している)
資格取得には概ねこれらのようなメリットが考えられます。
逆に言えば、これらのメリットがない資格は取る意味がないと言えるでしょう。
もちろん、これらのメリットが無い資格でも、合格に向けて努力して学んだ知識や技術は無駄でありませんが、それらは資格を申し込まなくても、独学で身に付ければいいだけのことです。
資格取得には高い教材費や受験料と受験自体の手間や時間が費やされます。
つまり、市場価値のない資格にチャレンジするというのは、高いお金と時間かけて、自分のモチベーションのみを買っているようなものです。
3.塵も積もれば山となる・・のか?
細かな民間資格でも、一つ一つが積み重なっていけば、医師や看護師などの国家資格と同等の価値を見いだすことができる、あるいは勝てると思いますか?
絶対に勝てるわけないですよね。
わかりやすく図にしました。
理想としてはこの図のように、資格が積み重なっていくものだと考えがちですが・・
※イメージです
現実は資格それぞれが積み重なることはなく、底に散らばったような状態となり、資格保持者の市場価値を上げるようなことはないのです。
一生懸命資格取得をがんばったところで、職員採用試験の面接官には、
「何がしたいのかわからない」や「器用貧乏」
という印象を与えかねず、かえって逆効果となります。
4.複数の資格取得を目指す大学・専門学校はどうか
複数の資格取得を目標にする大学や専門学校の学科・学部は、主軸となる資格がそれ一つだけでは勝負できない程度のものであるため、その他の関連ありそうな細かな民間資格を取らせようとするのです。
たくさんの資格が取れるということは、何も知らない入学志願者にとっては魅力的に見えますからね。
筆者がそうだったように・・・
例えば先の例の看護師さんなら、看護師だけあれば就職には全く問題ないです。
看護師になったのち、認定看護師や保健師、助産師など更なるスキルアップを目指して上級の資格を取得する人もいるでしょうが、基本的には看護師一つで食べていけます。
ですので、多くの資格取得を宣伝文句にしている大学や専門学校は、その資格の多さに惑わされることなく主軸となる資格が
果たしてどれほどの市場価値があるものなのか
ということをしっかりと調べた上で、入学を考えてください。
5.おわりに
以上、いくら取得しても全く意味のない細かな資格について述べてきました。
すべての民間資格が意味がないということではもちろんありませんが、無駄な資格は全て資格商法の最たるものであり、運営団体側が自分たちの利益のみを追求したものであり、受験者の利益などこれっぽっちも考えていません。
一つの資格で立派に仕事ができるような資格を選択し、取得に向けてがんばってください。